目次
第一次産業
農業
マレーシアは世界第2位のパーム油生産国であり、世界生産の26%、世界輸出の34%を占めています（米国商務省国際貿易局, 2024）。Statista (2023)によると、マレーシアの農産物輸出額は2021年に30%以上増加しました。パーム油とゴムの輸出額が高いにもかかわらず、食用作物の生産は地元の需要を満たすには不十分です。実際、2021年の米の輸入量は100万トン以上に達し、これは国の主食需要の約30%を占めています（Statista, 2023）。2023年第4四半期時点で、800万ヘクタールの農地のうち耕作されているのはわずか40万ヘクタールに過ぎないため、農業には外国投資の可能性が指摘されています（New Straits Times, 2023）。Statista (2024)によると、マレーシアの農業総生産額は2024年に127億6,000万米ドルと予測されており、2028年には年間複合成長率 (CAGR)で156億4,000万米ドルに達すると見込まれています。また、2024年の予測総生産額のうち、輸入額は79億7,200万ドルと予測されています。
畜産業
Zayadi (2021)によると、世界の農業部門の収入の40%は畜産によって占められています。マレーシアでは、この産業が国内の農業部門の8.9%を占めており、国内総生産（GDP）の8.9%に貢献しています。Statista (2024)によると、マレーシアの養鶏産業は2022年のGDPが100億リンギットと報告されています。マレーシアの畜産業は2022年のGDPへの貢献が12億6,000万リンギットであり、業界全体のGDPは165億リンギットと報告されています（Statista, 2024）。畜産業は現在、生産が前年比0.2%増加しており、2026年までに家畜生産量は410万米ドル（約1,900万リンギット）になると予測されています（Informa Markets, 2023）。これは、鶏肉と牛肉の消費量の増加傾向と一致しており、一人当たりの消費量はそれぞれ50.5キログラムと5.73キログラムです（OECD, 2022）。
林業
マレーシアの熱帯気候は森林資源が豊富であり、国の森林の57％には貴重な木材であるフタバガキ科の植物が生い茂っています。2022年の林業部門のGDPは50億リンギットと報告されていますが、2015年以来、林業および伐採産業は減少傾向にあります（Statista, 2024）。2022年におけるGDPに対する林業の寄与度は0.3%です（Statista, 2024）。
水産養殖業
水産養殖産業には魚や他の水生生物の繁殖、飼育、収穫が含まれます。国連食糧農業機関（2015）によると、マレーシアの水産養殖産業は2016年以降、年平均成長率10%で急成長しており、上昇傾向が続いています。2022年のGDPに対する水産業の貢献は約115億3,000万リンギットと予測されており、これは2021年の予測額（112億5,000万RM）からわずかに増加しています（Statista, 2024）。
鉱業と採石業
鉱業および採石業には鉱物、石油、ガス、その他の天然資源の採掘が含まれます。Statista (2023)によると、2024年にマレーシアの鉱業および採石業の生産量は約419億kgに達し、CAGRは5.25%になると予想されています。2023年12月のGDPに対する業界の貢献は2,628万3,000リンギットと記録されています（Trading Economy, 2024）。鉱業・採石市場は世界的な商品価格の変動の影響を受けやすく、COVID-19のパンデミックにより世界的なサプライチェーンが混乱して以来、需要が減少しています。しかし、マレーシアのエネルギー・天然資源省は、2018年から2022年までのCAGRが6.5%であると報告しており、今後数年間は業界の上昇傾向が続くと予想されています。これは、国内外市場での鉱物および鉱石の需要回復と、国家鉱物産業変革計画（NMITP）2021を通じた業界の持続可能な経営を目指すマレーシア政府の取り組みによって支えられています（The Star, 2021）。